メディア・パブ アフリカのニュースメディアにも
中国の影。尖閣諸島ニュースへ誘導。

(2012.08.22)


 

中国の影響力がアフリカのニュースメディアにも及んでいる。

人権問題などの批判をかわして西欧の影響力に対抗するためのPRキャン ペーンを、アフリカや開発途上国などに向けて打つために、中国政府は70億ドルも費やすと言われている。また先月、中国はアフリカ向け借款の総額を 200億ドルに倍増すると約束し、アフリカ大陸の資源確保に躍起である。その動きを支援するためにも、アフリカのメディアへの影響力を強化している。たと えばエチオピア政府には、WebサイトやTV、ラジオのインフラ整備に必要なトレーニングや技術供与のために15億ドルの借款を実施する。

実際のアフリカニュースの制作と放送にも積極的に動いている。2012年1月11日には中国国営メディアのCCTV(China Central Television)がケニアにCCTV Africaを開局し、アフリカ全域をカバーしたニュースを制作し、CCTVの英語チャンネルを介して全世界 への提供を始めている。取材のために、南はヨハネスブルグから北はアルジェまで、14支局を置いた。スタッフも記者を含めて100人を抱え、そのうち60人がアフリカ人という。目玉のAfrica LIVEを毎日1時間、アフリカ時間で夕方のプライムタイムに放送している。年内にも毎日2時間に延長する予定である。サイトでは過去の日を含めたAfrica Liveなどの番組をオンデマンドで視聴できる。

実際のAfrica LIVEを早送りで視聴してみた。アフリカ各地からのニュースが中心で、他はロンドン取引所との中継や世界のスポーツや天気予報となっている。アンカーは アフリカ人だし中継で出てくる特派記者も大半がアフリカ人で、CCTVのロゴがなければあたかもアフリカ人が作ったニュースメディアと思わせる。プロパガ ンダの臭いが漂わないようにしている。アフリカニュース市場で、CNNや BBC、Al Jazeeraと競合する構えである。また欧米の新聞などが経営難から海外支局や特派員を縮小したり廃止しているだけに、中国メディアにとって優秀な人材 を確保しやすいのかもしれない。

CCTVのニュースはアラビア語を含めて6ヶ国語で放送されており、中国国外で2億人が視聴していると CCTVは主張している。国営放送なので、ニュース番組は中国政府の価値観に基づいてフィルタリングされていると見るべきであろう。Africa LIVEのページには、1時間番組の他に、その日のその他ニュース(More Video News)が紹介されている。以下のように8月18日には6本の動画ニュースが取り上げられていたが、やはり尖閣列島関連の動画ニュースが出ていた。

そこで上のMore Video Newsから、”Chinese activists’ campaigns for Diaoyu Islands”とのタイトルが付いた動画ニュースを選んでアクセスしてみた。するとそのビデオでは、以下の写真を見せながら、尖閣諸島の抗議運動の歴史を紹介していた。

CCTVニュースのフランス語版やスペイン語版も覗いてみたが、トップページの目立つ位置に尖閣諸島関連ニュースが取り上げられていた。上のような中国の主張を伝えるニュースが、Africa Liveページを介してアフリカ人の目に入る機会が増えたのではなかろうか。

(2012年08月19日)