メディア・パブNYタイムズ 自己出版の電子書籍が
ベストセラー書籍のトップへ

(2013.04.30)


 

先ほど、NYタイムズのベストセラー・ページを覗くと、以下のようにフィクション部門(プリント+電子)のトップに『The Bet』が選ばれていた。 注目すべきは、自己出版の電子書籍であることだ。6位にランクされていた『Damaged』も自己出版の電子書籍である。電子書籍(E-Book Fiction)だけのランキングでは、それぞれ1位と3位になっている。

アマゾンのKindle Store(電子書籍)のランキングでは、『Damaged』が1位で『The Bet』が2位に輝いていた。

Digital Book Worldが毎週、公表しているベストセラー・トップ25でも、同じく『Damaged』が1位に『The Bet』が2位にランキングされている。電子書籍市場では、出版社に頼らない自己出版書籍が勢いを増しているのだ。


(ソース:Digital Book World)

また、こうした自己出版の電子書籍の特徴は、価格が非常に安価であることだ。『Damaged』も『The Bet』も現在の価格が0.99ドルになって いる。自己出版の台頭は、電子書籍全体の価格競争をますます激しくしそう。さらに昨年、電子書籍の価格設定で独禁法に抵触させないようにとの米司法省から の動きもあって、電子書店側が価格を自由に設定できるようになってきていた。アマゾンはじわじわと電子書籍の価格を戦略的に下げていこうとしているよう だ。週次のベストセラー電子書籍の平均価格の推移を、昨年8月から今年4月までをプロットしたのが次のグラフである。


(ソース:Digital Book World)

電子書籍分野で自己出版が台風の目になっている。電子書籍のベストセラーの上位に、自己出版書籍が顔を出すのは当たり前になってきている。一部作家の中には自己出版に切り替える動きもあり、さらに出版社と自己出版をうまく使い分けようとする作家も出てきている。

自己出版の場合は、価格設定にも自由度が高い。たとえば上の『Damaged』の作家である H.M. Ward氏は、4月2日から同書籍を3.99ドルで販売し、Kindle Storeのベストセラーランキングでも姿を現すようになっきた。それからラン キングのトップに立ちたいとタイミングを見計らって価格を0.99ドルに値下げすると、思惑通りたくさん売れて現在、トップに躍り出た。これまで15万部 以上を売ったという。
(2013年04月24日)

参考
・Self-Published Ebooks Are Nos. 1 and 2 Best-Sellers, Average Price Drops to All-Time Low(dbw)
・The Ebook Pricing Sweet Spot(dbw)
・Analyst: Amazon Will Lower Kindle E-Book Prices Slowly, Strategically(dbw)
・Thrifty Thursday – Bargain Books April 10, 2013(A Love Affair With Books )

関連記事
•ペンギンとランダム・ハウスの合併、抜きんでた巨大電子書籍出版社が誕生[2012-11-08]
•米国の電子書籍が激しい価格競争に、値下げが続いた後に反発も[2013-04-08]
•NYタイムズのベストセラーリストに電子書籍が登場[2011-02-23]
•キンドル対iPad、大手出版Penguinの電子書籍販売を巡る戦い[2010-05-05]
•開花期の電子書籍と萌芽期の電子雑誌、共に米国では急成長[2012-04-09]
•米出版社マクミランがNYTに全面広告,「書籍はアマゾン以外のどこの本屋でも買える」[2010-02-06]
•アマゾン対アップル、電子書籍の値下げ競争に突入[2012-09-13]
•電子書籍市場、米国が独走[2012-06-17]
•米国の電子書籍市場、上昇気流に乗る[2011-01-23]
•英国アマゾン書店でも、販売数で電子本が印刷本を凌ぐ[2012-08-07]

メディア・パブ