ほろ酔い倶楽部 - 16 - マデイラワインでギネスブック認定! 『レアンドロ』ってどんなとこ?

(2011.02.24)

2010年末、マデイラワインの品揃え世界一として、ギネスブックに認定された、知る人ぞ知る注目のお店、北大塚にある『café::bar Leandro (カフェ・バー レアンドロ)』。お店はJR山手線の大塚駅を降りて、誘惑街の呼び込みを見事に抜けた先にある。青と黄色の特注マデイラ国旗が目印だ!
 

オーナーの鈴木さんギネスブック認定証拠写真。
目印は特注のマデイラ国旗。

 
ではさっそく、オーナーの鈴木勝宏さんの話を聞いてみよう。

 

Q. 何故にマデイラワイン? マデイラワインとの出会いと、マデイラワインバーをオープンしようと思ったきっかけは?

A. 初めに飲食の世界に入ったのは、ホテルニューオータニの喫茶ペシャワール。そこで、オーナーの知り合いである料理研究家の前島慶子さんがお料理を教えてくれて、香り付けにはマデイラワインを使いなさいと教えてくれたんです。それはバーベイト社のウイッカーフラゴンボトルのセミスイート(現在のスイートプレーンボトル) だったのですが、この時は、マデイラワインは料理酒で、そのまま飲めるものとは思っていなかったんです。

飲食の仕事がとても楽しかった。自分が提供したものを喜んでもらえる事と、町ですれ違った美人に声はかけられなくても、お店に来てくれれば、カウンター越しで仲良く話せるから(笑)。 そして、飲食に戻ることを前提に、36歳から約10年間は色々な仕事をしながら、客の立場で色々なお店に行ったりしました。10年は長いと思うかもしれないけれど、一度お店を始めると辞められないのと、上から目線の店主にはなりたくなかったんです。

その間も料理の腕を磨く事は忘れず、1人暮らしの4畳アパートのキッチンには、料理用としてドリヴェイラ5年ミディアムドライを置いていて、ある時、飲めるのかな? と思って1口飲んでみたら美味しかったんですよ。そして、これで商売できないかな? と思い始めました。

そんな頃、ペシャワール時代の仲間がバーをオープンしたので手伝い始めました。1年目はおとなしくしていたけど、2年目になった時にマデイラワインを提案したら評判が良かったんです。もっと色々知りたかったけれど、当時資料があまりにも少なかった。ワイナリーも見てみたかったので、2006年2月に初めてマデイラ島に行き、よりマデイラワインが好きになって帰ってきました。

24歳で結婚、36歳で飲食を離れたので、区切りの歳として、48歳でどうしてもお店をオープンしたいという気持ちがありました。路面店であることが絶対条件。それ以外にはこだわりませんでしたが、募集広告にあったなサクラの写真に魅了されてこの場所をびました。実際、サクラの時期には、お店の前一面の桜並木から店内にサクラ吹雪がてきます。でもやはり、なんで大塚で? なんでココ? と、オープン当初は地元の人からも質問されましたね(笑)。今やお客様の9割が大塚の地元の方。そして、残りの1割は業界関係者の視察。やはり、なぜマデイラワインなのかと業界人もビックリなんでしょうね。
 

Q. マデイラワインってどんなワイン?

A. ポルトガルのマデイラ島で造られる酒精強化ワインで、世界三大酒精強化ワインの一つに数えられています。エストゥファという独自の加熱処理と、酸化熟成により、独特な香りと味わいが生まれるんです。加熱処理をしており酸化することがないため、開栓しても半永久的に劣化しないと言われています。ギネス申請時は130種類でしたが、現在は173種類揃えています。店内には、マデイラワインにちなみ、マデイラフィニッシュのモルトなども。この品揃えも恐らく世界一だと思います。


そんなマデイラワインを、今回は17種類試飲比較した。オーナーが初めて出合った「バーベイト社」8種類と、マデイラバーを開くきっかけとなった「ドリヴェイラ社」9種類。

17種類も一度に試飲比較することはなかなか出来ないと、参加者は必死にテイスティングをするが、スティルワインのように、ヴィンテージの差や生産者、品種などについてやはり分かりづらいとの意見が多数。マデイラワインの会社は現在8社、葡萄品種は7種類。この小さい規模の中でも実は躍進が続いていて、若い生産者、特にバーベイト社のリカルド・フレイタスは、料理用品種と言われていたティンタ・ネグラ(黒葡萄)に可能性を見出している。とは言っても、スティルワインの多様さから比べると、体系的に勉強するということとは違うのかもしれない。

だが、何といってもマデイラワインの楽しみ方は、色々な意味で時間を取り戻せる事! これには一同納得。ワインは一度開けたら飲みきりだが、酸化熟成しているマデイラワインは、好きな時に好きな量を楽しめるし、味わいもほとんど変わらない。そんな飲み物はおそらくマデイラワインだけだろう。

そしてスティルワインでは金額的にも集めることが難しいほぼ全てのヴィンテージが揃うのも魅力。今回の参加者の産まれ年のボトルも、当然のように店内に揃っていた。「もしそのヴィンテージが無かったら?」と鈴木さんに聞くと「ひたすら謝るよ(笑)」。と言っても、現在揃っているのは、1780年、1800年代。1931年~1990年のうち1933、1939、1942、1944、1945のみがないだけ、と、スラスラ。誕生日や何かの記念日にはカッコ良くサプライズに“使えるお店”なのかも知れない。

今回は、特別に食べ物の持ち込みもさせてもらったが、近くのパン屋さんに特注しているというぶどうの房の形のパンやいぶりがっこなど、フードメニューにも注目。ただ、店主は1人で切り盛りしているので、少し時間がかかるのはご愛嬌。

 
Q. 何故ギネス申請をしたの?

A. 実はオープンしてまもなくマデイラ島に行った時に、仲良しのインポーターからギネス申請しましょうとの話がありました。その時はオープンしたばかりでどうなるか分からなかったから、3年目を区切りに「マデイラワインをより多くの人に知って欲しい」「飲んで欲しい」と言う素直な思いで申請することを決意。無事に認定書をもらうことができました。マデイラワインは、説明するよりもまずは飲んでもらうことが一番なので、初めての方には無料で試飲していただいています。まずは、気軽にお店に立ち寄り、マデイラワインに触れてみて欲しい。うちは、サービス料もチャージもないんです。
 

Q. 今後の目標は?

A. まずは、マデイラ騎士団になること! そして、とあるマデイラワインを手に入れたいんです。ナポレオンがセントヘレナに流される前にマデイラ島に補給で立ち寄った際、時の領事から旅の慰めに1792年の葡萄で造ったワインを1樽献上されたが、飲まないで亡くなったそうです。それをBLANDY’S社が購入し1840年にボトリングしているのですが、クリスティーズに出品されていたり、ウイストン・チャーチルも飲んだりしている。そのボトルをまずはこの目で見たい! マデイラ島のBLANDY’S社に9回も行って、いつもこの話をしており、絶対にあるはずと確信しているけど、私はまだ「東洋人の鴨葱の客」としか見られていないので、次回はギネスブックの認定証を「葵の御紋」とし、真面目に取り組んでいるのを分かってもらいたい。その上で、
まずは、この目で見たい!
そしたら、買いたい!!!
できれば、飲みたい!!
と、熱く語ろうと思っています。次回のマデイラ島行きは2011年11月を予定しているので、お店の誕生日11月11日に合わせて入手できるかもしれない!

 

それにしても今回は、マデイラワインについてより、店主への質問が多かった。やはり店主のキャラクターなのだろう(笑)。




 
café::bar Leandro (カフェ・バー レアンドロ)

住所 東京都豊島区北大塚2-8-6 第二不二ハイツ105 (JR大塚駅北口から徒歩2分)
TEL 03-3576-5778
営業時間 [月~金] 12:00~翌2:00 [土・日・祝] 15:00~翌1:00
ランチ営業、夜10時以降入店可、日曜営業
カフェ250円~、ラザニアランチ500円、夜平均単価3,000円以下
※バーなのにチャージなし。サービス料なし。
席数 14席 (カウンター5席、テーブル9席)

 

筆者プロフィール

細田 結佳里(ほそだ・ゆかり)

東京木下商事株式会社 営業部所属 通称イカちゃん

プログラマー, SEとしてIT企業在職中にワインに目覚め、22歳の時ワインスクールに通い始める。ワインやチーズを勉強し、フランスに魅せられ退職し渡仏。フォアグラ農家とチーズ農家に労働滞在しつつ、ワインと食文化を体感し過ぎ大きくなったので仕方なく帰国。現在は、酒類の卸売販売を行う東京木下商事株式会社 営業部所属。
好きなワインはパワフルな性格と反してエレガント系。伝説として、ワイン産地を体感したいと、一週間前に自転車を購入し修理や組み立てをマスターして持参。ストラスブールの空港で自転車を組み立て、リヨン迄のワイン街道20日間850kmバックパックで一人自転車旅など、思い経ったら即行動の面白経験は数知れず。ワインを知り魅了されたからこそ、面白オカシイ人生になったと自慢したいぐらい、今この瞬間もワインラバーを勝手に増員活動中。