一瀬恵のパンクなドイツ ドイツ語はヒップホップだ☆

(2008.07.01)
ヒップホップを聴くと、ラッパーがしきりに「チェキラ チェキラ」「Say ホ~!」「アハ アハ」などと口ずさんでいる。これはフレーズに間をとって、より「ノリ」を良くする役割を果たしているように思う。

ドイツ語にも、この「ノリを良くする間」というものが存在する。
それは「冠詞」と「冠詞の活用」である。

冠詞とは、英語でいう「The」や「a」などで、「the cat」 「a cat 」などのように名詞の前につく。

ドイツ語には、男性名詞、女性名詞、中性名詞と名詞が分類され、それに応じた冠詞が存在する。
例えば、Der Mann (その男性)Ein Mann(一人の男性)、Die Frau (その女性)eine Frau(一人の女性)、das Kind (その子供) ein Kind(一人の子供)などのように。

冠詞の活用とは、その名詞が主語か、述語か、目的語かなどによって、その冠詞が変化することだ。
例1
「Der」 Mann ist nett.(「その」男性「は」親切だ) 
例2
Ich habe mit 「dem」 Mann gesprochen. (「その」男性「と」お話をした)

ドイツ語を勉強する場合、通常、名詞の単語を覚えるときに何名詞かを記憶し、冠詞とセットで覚える。しかし、名詞の数は無数に存在するため、何名詞か分からない場合は、冠詞の選択に迷うことになる。

しかし、冠詞は名詞の語尾と響きに合わせて、1つの文章の「ノリ」を良くし、文中の「間」を整えるために活用する、と捉えるともっと音楽的に習得できる気がする。

例えば、上の例1の場合、文法的に説明すると、冠詞は定冠詞・主語の男性名詞なのでDer となる。
だがこれは、ヒップホップでいうと、ラップ前の歌い出しにノリを良くする「エイ・YO !」 の感覚なのだ。
つまり、その後の文章(ラップ)に勢いをつけ、最も美しいイントロにしている。

例2の場合、文法上は定冠詞3格の男性名詞なので、冠詞はdem と変化する。
これは、ヒップホップでいうラップ途中の、「ッチェキ!」と同じで、途中のテンポ及びリズムを整えている。

ドイツ語の勉強を思いたったら、まずはゲーテ・インスティテュートNHKドイツ語講座などで基本を学び、同時に音楽を聴くように、ドイツ語を繰り返しリスニングする方法が効果的だ。

そしてドイツで人気のダンス&Bボーイ・グループのFlying Stepsなどでヒップホップの感覚を身につけるのもいいかもしれない。

あとは遊び心とチャレンジ精神でドイツ語習得間違いなし!チェキラ☆

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ドイツで人気のダンス&Bボーイ・グループの Flying Steps